20170819_diary

私は、欲張りだ。

学生の頃、色えんぴつにある全部の色の洋服が欲しかった。
白を手に入れれば、黒が欲しくなり、
黒が手に入れば、グレーが欲しくなり、
グレーが手に入れば、ブルーが欲しくなり、
ブルーが手に入れば、赤が欲しくなり。
赤は赤でもいろいろあって、薔薇のような赤、唐辛子みたいな赤、苺っぽい赤…。
ひとつずつ洋服をハンガーにかけて、色ごとに配置するのが大好きだった。
(トップスとか、スカートとか、そういう整理の仕方はしてなかった)

ただ、集めていく過程で気がついた。
形や素材が違うと、それはまったく違う「色」として、瞳に映ることに。
お金はなかったし、古着がほとんどだったけど、
きっと、もっと言うと、作り手が違うだけでそれは違う「色」なんだろう。

DJをするようになってから、このことを思い出すことが、ものすごく多くなった。
ずっと忘れてたんだけど、突然、この記憶の引き出しがパカッと開いた。
まあそもそもDJは、貪欲でなければ成り立たないし、同じようなものなんだと、思わずはっとした。

というわけで音楽も、まったく一緒でひとつひとつが全部異なる「色」だ。
*区切りがよいので1曲をひとつ、と数えるとする*

一言で言ってしまえば、本当に、キリがない。終わりがない。
家で聴くのとライブで聴くのとが違うのはもちろん、曲もジャケットもすべて同じ内容のアルバムでも、UK盤だのリマスター盤だの、それらはコレクターの心を掴んで離さない。
この一連の流れは、この先もしばらくは続いていくんだと思う。

そしてさらにもっと言ってしまえば、そのひとつひとつが、「永遠」であり、終わりがない。
実際に、「音」として鳴っていることだけが重要なわけではない。
一度形になった音楽が、人の心の支えになったり、祈りになったり、はたまた暴力になったり。
化学反応を起こしながら、それ(=音楽)は永遠に転がり続ける。

そうやって思考を巡らせながら、音楽を聴いていると、
流れていく時間が、まるで目の前に映し出されているようで、すごく好きだ。
左から右、上から下、前から後ろ、それらを囲み、包み混む空間。
それが”時間”ってやつなんだな、と思う。
時計を見て「時間」を感じるんじゃなくて、音楽を聴いて「時間」を感じるのは、すごく特別な感覚だ。

期限付きの時間。
期限付きの休日。
期限付きの季節。
期限付きの人生。

別に、毎日締切の前日みたいに切羽詰まった気分を味わいたいわけじゃない。
ただ、期限があることを人は忘れがちだ。
忘れてはなくても、後回しにしがちだ。

欲張りな私も、生まれながらの期限付き。
その中で、少しでも多くの時間を、自分がワクワクする音楽で埋め尽くしていけたら、幸せだな。